幸福論
「じゃあムービーは見てないってこと........... ?」

「3つ目のフォルダにムービーが入ってるの?
だとしたら見てない。」





その言葉を聞いた志乃は
急いで帰るように言ってきた。


何で?と聞く暇もなく急かされた私は
志乃によってヒルズの外に連れられる。


ちょうど通ったタクシーを止めて
私を乗せた。





「いい?帰ったらすぐに、3つ目を見て。
分かった?」





嵐のようなこの数分間。


あまりに勢いのある志乃の言葉に
頷くしかない。


私を乗せたタクシーはあっという間に
ヒルズから遠くなっていく。


何であんなに慌てているのか
全く分からなかった。
< 364 / 448 >

この作品をシェア

pagetop