恋は小説よりも奇なり
想いは一方通行で行き止り。
前にも後ろにも進めない。
行き場を失ったプレゼントは満の腕の中で抱きしめられた。
「……決まってるじゃないですか。お祝いしたかったからですよ」
「そんなことは頼んでいない」
「頼まれてお祝いする人なんてどこの世界にいるんですか……」
拒絶の壁に何度もぶち当たる自分が惨めで痛々しくて泣きそうになった。
心を奮い立たせていなければ今にも涙腺が決壊してしまいそうだ。
満はグッと歯を食いしばって耐える。
奏は何も言わず黙っていた。
「もういいです……」
満はマンションのわきにある公園に入っていく。
そこはすべり台とブランコ、そして青いベンチしかない小さな公園だ。
ベンチの上に紙袋を置いた。