大嫌いの裏側で恋をする
「何件か紹介されたうち〜、ひとつ、前に俊平くんの名刺盗み見た時に書いてあった社名な気がして〜、来てみたら大当たり」
間宮香織は可愛い顔をドヤって「って、感じで今な訳」と、笑う。
「来てみりゃ、アンタまでいて一瞬テンション下がったけど収穫もあったから」
「収穫?」
「アンタ俊平くんのこと好きなんでしょ〜?」
ゼリーの蓋をペリッとめくりながら、間宮香織がシレッと言ったもんだから。
「ぶっっ!」
今度は唐揚げを吹き出しかけてしまう。
「な、なん、なんで!!!???」
驚きのあまりパイプ椅子を倒しながら立ち上がる。
と、会議室でお昼中だった女子社員たちの視線が刺さった。
あ、ヤバい。
休憩中だったんだ。
すみません……、と小さく呟きながら座る。
「あはは〜! バレバレだよぉ? あたしが俊平くんにひっついてると、あからさまジロジロ見てくるじゃん」
「……う」
そんな、あからさまだったかな。
ちょっと恥ずかしい。
誤魔化すように唐揚げ丼を頬張る。
「でも敵じゃないってわかったからぁ、ラッキーだったかも」
「敵じゃない?」
と、言われてしまうと気になるし食いつく。
「石川さんみたいな女、あたしめっちゃバカにしてるし〜、ミジンコ以下〜」
「……ミジンコ!? 初めて言われたけど!」
「モタモタして、自分で自分を可哀想がって、うざい」