大嫌いの裏側で恋をする
「ていうか〜、あたし働いてた店辞めてぇ、派遣登録したのね」
「はぁ、え? そうなんだね」
突然身の上話をし出した間宮香織に、私はとりあえず相槌をうってあげる。
「安キャバだったしぃ、客層は若いサラリーマンが多かったわけよ」
「ふーん」
「そこに会社の人達とかなぁ? 飲みにきてた俊平くんに、あたし一目惚れしたんだけど」
……なるほど。
高瀬さんは、そんな感じ女引っ掛けてんのか。
「誘えばたまに遊んでくれたりしてたのに〜、あの日アンタが俊平くん掻っ攫っていった日」
「攫ってないし!」
「あれ以降誘っても無視だし! あ〜もしかしてあの女が本命だったの〜? とか、諦めかけたわけよ、さすがに」
……いや、それはないよ。 高瀬さんが好きなのは吉川さんだよ。
と、まさか声には出せないけど。
「まぁ、それとは関係なしに〜うちの店女の子の年齢層低かったからぁ、あたしでもわりとババアの部類で〜」
「え、マジで、厳しいね」
「いい機会だし〜お昼働きたいなって派遣に登録しに行ったの」
「なるほど」と、私は頷く。
何故こんな話を昼休みに聞いているのだろうかと、思うんだけど。