大嫌いの裏側で恋をする
うろたえる私を横目に、高瀬さんが頭を押さえながら大きく息を吐いた。
いや、むしろ深呼吸の域だ。
……確信。
甘い空気など微塵もない。
その私の予想を肯定するように、高瀬さんは言った。
「ヤッてないからな」
「……え?」
「心配しなくても、お前相手にどうこうねぇから絶対」
ズキっと、胸が痛む。
『絶対』ってなんだ、絶対?
そんな言い方しなくても、よくない?
酔った勢いで『何か』あったら、
そりゃ……
職場一緒だし、挙句担当の営業さんだし。
困るんだけどさ。
でも一応私だって、女で。
……一応、高瀬さんにかなり密かに片想いだって、してる身なんですよ。
最近だけどね。
「ま、まあ、そりゃ私と高瀬さんの間に何かあったらビックリですよねー!」
あはは! って。
楽しくもないけど、笑ってみる。
しかし、そんな私とは真逆のテンションで。
高瀬さんのご機嫌は、最悪だ。