大嫌いの裏側で恋をする


はあ? と、思わず私は返す。
好きだなんて思っても性格までは可愛らしくなれないらしい。
我ながら、損な性格じゃないかと思うんだけど。
26年間、治りません。

「バカって言いましたよね? なんで高瀬さんにそこまで言わなきゃいけないんですか」
「お前が男と別れたなんだって、そこそこ知れ渡ってんの知ってんだろ?」
「はあ? 知りませんよ!」
「知ってたろ、秋田さんは」

そうえば。
知ってたな。
その通りだったので、思わず、黙り込む。

「課長に言われて秋田さんに連絡入れた時点で、知ってそうな口振りだったし」
「まあ、確かに松野さんに話したんで」

松野さんとは、秋田さんとこの事務の女の人で。
黒髪さらさらストレートが似合う、
クールビューティー女子。
仕事だって、めちゃくちゃできちゃう。
最近はちょっと仲良くなれてきて、暇な時間に電話があると。
その、ついつい。
いらないことまで話しすぎてしまう。

いやいや?
でも、だから、それがなんなの?

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