大嫌いの裏側で恋をする
「……お前さ」
「はい?」
「顔は、そこそこ可愛い顔してんだからよ、顔は」
突然の『顔は可愛い』発言に私は固まる。
顔は。って、じゃあ中身はダメなのか?
って、言い返すこともできないくらいには。
固まって。
そして、次は驚くほどに体温が上がる。
「ど、どどど、どうしたんです!? 高瀬さんまだお酒抜けてないです????」
「お前のせいでほとんど飲めてねーわ」
確かに、1時間もいたっけ?
くらいの滞在時間だったしな。
秋田さんのご機嫌は、なおったのだろうか。
「とりあえず飲んだ飲まないは今はいい」
なんて、不安になってると。
高瀬さんは、そんな私を気にもとめず、話を続けるようだ。
「じゃあ、なんですか」
「これから、こういうことよく出てくるんじゃねーの?」
こういうこと?
と、私は聞き返す。
高瀬さんにしてはまわりくどく、
結構本気で何言ってんのかわからない。
「男に詰め寄られたり」
「……え」
すぐ前で、仁王立ちしてた高瀬さんが。
言葉を不自然に区切り、座ってる私の横に膝をついた。
目の前に、近づいた整った顔。
ヘアスプレーだかワックスで、普段はわけられてる前髪も。
無造作に揺れて。
それが、妙に色っぽいんだ。
私は、ただ目の前を見つめ返すだけで、
精一杯。
おかしいな、こんなに低かったかな、恋愛スキル。
「こうやって」
区切られた言葉の続きを囁きながら、ベッドの上に完全に乗りあがった高瀬さん。
身体が更に密着する。
「た、高瀬さん……?」