冷徹騎士団長の淑女教育
「……わかりました。心に留めておきます」

ひび割れた心を必死に沈め、クレアはどうにか返事をする。そして、膝を折り曲げた。

「……アイヴァン様のお母様に、お祈りを捧げてもよろしいでしょうか?」

「好きにしろ」






クレアは両手を合わせると、何もない地面に向かって必死に祈りを捧げた。

彼女の不幸な運命に胸を痛め、アイヴァンの心に寄り添えなかったことを詫びながら――。

祈りは長い間続いたが、アイヴァンはクレアをせかすこともなく、ずっと傍で見守り続けていた。

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