冷徹騎士団長の淑女教育
湿ったカビ臭い空気の漂うその部屋は、一見して礼拝堂のようだった。
だだっ広い空間は四方が石造りで、高い位置にはアーチ状の大きな窓ガラスがあるものの、汚れのせいで光を通さず部屋全体が薄暗い。
床には幾何学模様の織物が敷かれており、祭壇と思わしき台座には見たことのない神の石像が備えられていた。
ダグラスと御者が出て行ったあとで、クレアは部屋を見渡した。どこかに、逃げれるような通気口がないかを目でくまなく探る。
だが何度見ても、この部屋にある窓といえば届きそうもないほど高い位置にあるステンドグラスだけで、逃げ出せるような隙はない。
途方にくれて、クレアはぺたんと冷たい床に腰を落とした。
そうこうしているうちに、扉の向こうでジャラジャラと鍵と鍵が擦れ合うような音が鳴る。
幾重にも、扉が重ねられているのだろう。何度か鍵の音と扉が開く音が響いた後で、ようやく人影が姿を現す。
「あなたは……」
現れた人物を目の当たりにするなり、クレアは驚きのあまりかすれた声を出した。
だだっ広い空間は四方が石造りで、高い位置にはアーチ状の大きな窓ガラスがあるものの、汚れのせいで光を通さず部屋全体が薄暗い。
床には幾何学模様の織物が敷かれており、祭壇と思わしき台座には見たことのない神の石像が備えられていた。
ダグラスと御者が出て行ったあとで、クレアは部屋を見渡した。どこかに、逃げれるような通気口がないかを目でくまなく探る。
だが何度見ても、この部屋にある窓といえば届きそうもないほど高い位置にあるステンドグラスだけで、逃げ出せるような隙はない。
途方にくれて、クレアはぺたんと冷たい床に腰を落とした。
そうこうしているうちに、扉の向こうでジャラジャラと鍵と鍵が擦れ合うような音が鳴る。
幾重にも、扉が重ねられているのだろう。何度か鍵の音と扉が開く音が響いた後で、ようやく人影が姿を現す。
「あなたは……」
現れた人物を目の当たりにするなり、クレアは驚きのあまりかすれた声を出した。