冷徹騎士団長の淑女教育
アイヴァンは、多量の読み書きの本を持ってきていた。

それをクレアの部屋のデスクに山積みにし、クレアが部屋に入るなりさっそく読み書きの指導を始めた。

アイヴァンの教え方は、想像以上に厳しかった。書物を読ませ、読めない語句があればそれを繰り返し練習させてから、再びふりだしに戻って一から読み直しをさせる。

それが延々と続き、もう何度同じ物語を読んだかわからなくなった頃に、アイヴァンはようやく書物を置くようにクレアに言った。




だが、それで終わりではなかった。

読み書きの学習のあとは、お辞儀の仕方の指導が始まった。

クレアは知らなかったが、お辞儀の仕方は男性と女性とでは違うらしい。

足の位置や伸ばし方、腰の落とし方や角度など、アイヴァンの指導はうんざりするほどにこと細かく長かった。

アイヴァンがクレアをやっとのことで解放してくれたのは、実に深夜近くになってからである。
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