冷徹騎士団長の淑女教育
「何人もいた護衛を、一人で倒したというの? さすが、大陸一と名高い騎士団の団長ね」
部屋の隅から聞こえた冷ややかな声に、アイヴァンは眉根を寄せる。そして、デボラ王妃を見た。
「驚かないの? 私が本当の敵だって、今気づいたのでしょう?」
「ダグラスはあなたと親しくしていましたので、予想はついていました」
アイヴァンは淡々と答えながら、漆黒の瞳に憎悪をみなぎらせデボラとダグラスを睨みつけた。
そんなアイヴァンに、デボラはふふっと妖艶に笑いかける。
「そもそもあなたがこの女を助けてかくまっていたのは、ハワードの命令だからでしょう? あなたの意志ではない。それなのに、こんな娘のために単身敵の巣窟に乗り込んでくるだなんて、大した使命感ね。本当はあなただって厄介だったのではないかしら? ハワードに、役立たずの子供を任せられて」
デボラはそこでコツコツと歩み、扉の前に佇むアイヴァンに近づいた。
「でも、賢い戦略ではないわ。だってあなたはここにたどり着くまでに疲れているし、この中にはまだまだ敵がいる。ここにいるのは、今までの相手とは比較にもならない、選りすぐりの豪腕ばかりよ。あの女の命を失うどころか、あなたは自分の命をも失うことになるでしょう」
クスクスッと、鈴が鳴るように笑うデボラ。
「正直、あなたを失うのはもったいないわ、クロフォード騎士団長。だから、交換条件を出しましょう。もしもあなたが今すぐその娘の命を奪ったなら、私たちはあなたの命は奪わない。それどころか、私が君主になるなり、今よりももっとよい身分を与えましょう。公爵家で冷遇されているあなたには、とてもよい条件だと思うのですけど」
部屋の隅から聞こえた冷ややかな声に、アイヴァンは眉根を寄せる。そして、デボラ王妃を見た。
「驚かないの? 私が本当の敵だって、今気づいたのでしょう?」
「ダグラスはあなたと親しくしていましたので、予想はついていました」
アイヴァンは淡々と答えながら、漆黒の瞳に憎悪をみなぎらせデボラとダグラスを睨みつけた。
そんなアイヴァンに、デボラはふふっと妖艶に笑いかける。
「そもそもあなたがこの女を助けてかくまっていたのは、ハワードの命令だからでしょう? あなたの意志ではない。それなのに、こんな娘のために単身敵の巣窟に乗り込んでくるだなんて、大した使命感ね。本当はあなただって厄介だったのではないかしら? ハワードに、役立たずの子供を任せられて」
デボラはそこでコツコツと歩み、扉の前に佇むアイヴァンに近づいた。
「でも、賢い戦略ではないわ。だってあなたはここにたどり着くまでに疲れているし、この中にはまだまだ敵がいる。ここにいるのは、今までの相手とは比較にもならない、選りすぐりの豪腕ばかりよ。あの女の命を失うどころか、あなたは自分の命をも失うことになるでしょう」
クスクスッと、鈴が鳴るように笑うデボラ。
「正直、あなたを失うのはもったいないわ、クロフォード騎士団長。だから、交換条件を出しましょう。もしもあなたが今すぐその娘の命を奪ったなら、私たちはあなたの命は奪わない。それどころか、私が君主になるなり、今よりももっとよい身分を与えましょう。公爵家で冷遇されているあなたには、とてもよい条件だと思うのですけど」