約束~悲しみの先にある景色~
「はい。…義兄に、あげたくて」
私は、素直に答えた。
それに対し、なるほど…、と何度か頷いた店員さんは、
「バレンタインデーに渡すマカロンですと、今はこちらが1番売れております」
私を、あるマカロン売り場まで案内してくれた。
そこには、バレンタインデー専用に作られたのか、ハート型のマカロンや、茶色や赤色を主とした色のマカロンが売られていた。
「こちらは主に恋人や好きな方に渡す事を前提として作っていますが、お客様が渡す相手はお兄様、つまり家族という事なので…」
そう言いながら、店員さんが人差し指を商品の上に滑らせた時。
「俺もチョコ欲しいよおおぉっ!」
「伊織、お前今すぐ黙れ?次何か喋ったら殺すぞ」
またテーブルの方でパソコンを弄っていた人が大声をあげ、先程から奥の席でパソコンを弄りながらマカロンを口に運んでいた、このお店のものと思われるエプロンをつけている男性が恐ろしい口調で注意をした。
「いやいや、そっちだって仮にも此処の店員の分際で何呑気にマカロン食ってんの?」
瞬間、伊織、と呼ばれていた人がその人に向かって言い返し。
「俺は良いんだよ。俺よりお前の方がおかしいだろ、仮にも店長の分際でのこのこ隣の店に来やがって」
目元が隠れる程伸ばした前髪をそのままに、マカロンを食べていた人は顔色1つ変えずに言い返した。
私は、素直に答えた。
それに対し、なるほど…、と何度か頷いた店員さんは、
「バレンタインデーに渡すマカロンですと、今はこちらが1番売れております」
私を、あるマカロン売り場まで案内してくれた。
そこには、バレンタインデー専用に作られたのか、ハート型のマカロンや、茶色や赤色を主とした色のマカロンが売られていた。
「こちらは主に恋人や好きな方に渡す事を前提として作っていますが、お客様が渡す相手はお兄様、つまり家族という事なので…」
そう言いながら、店員さんが人差し指を商品の上に滑らせた時。
「俺もチョコ欲しいよおおぉっ!」
「伊織、お前今すぐ黙れ?次何か喋ったら殺すぞ」
またテーブルの方でパソコンを弄っていた人が大声をあげ、先程から奥の席でパソコンを弄りながらマカロンを口に運んでいた、このお店のものと思われるエプロンをつけている男性が恐ろしい口調で注意をした。
「いやいや、そっちだって仮にも此処の店員の分際で何呑気にマカロン食ってんの?」
瞬間、伊織、と呼ばれていた人がその人に向かって言い返し。
「俺は良いんだよ。俺よりお前の方がおかしいだろ、仮にも店長の分際でのこのこ隣の店に来やがって」
目元が隠れる程伸ばした前髪をそのままに、マカロンを食べていた人は顔色1つ変えずに言い返した。