約束~悲しみの先にある景色~
「瀬奈ちゃん?」
忌まわしい“あいつ”が再び声を掛けてきた瞬間。
(っ………)
夢にも現実にも逃げ場は無いのに、逃げる様に、私は意識を手放した。
「えっ、瀬奈ちゃん!」
俺-キム・トユン-は、その場に崩れ落ちた義理の妹を慌てて抱きかかえた。
「待って、どうしたの!?……って、寝てるし…」
瀬奈ちゃんは、眠っていた。
先程の感じからして気絶をしたのかもしれないけれど、寝ている事には変わりない。
(あーびっくりした…)
安堵した俺は、寝息を立てている瀬奈ちゃんをベッドへ運んだ。
つい30分程前ー深夜の1時15分を回った頃ーにようやく家への帰還を果たした俺は、疲れ切っていたからさっさと寝る支度を始めていた。
既に親は寝ていたし、瀬奈ちゃんの部屋の電気はついていたものの、中で人が動いている気配もしなかったから、
(皆寝てるなー、俺も寝なきゃ)
等と、呑気に考えていた矢先。
瀬奈ちゃんのものと思われる叫び声が、俺の部屋に聞こえてきて。
これは只事じゃないと思った俺が彼女の部屋のドアの前に辿り着いた時、彼女が出てきた。
出てきたのは良いのだ。
その後の彼女の動揺ぶりと恐怖に満ちたその目の色が、逆に俺を動揺させた。
忌まわしい“あいつ”が再び声を掛けてきた瞬間。
(っ………)
夢にも現実にも逃げ場は無いのに、逃げる様に、私は意識を手放した。
「えっ、瀬奈ちゃん!」
俺-キム・トユン-は、その場に崩れ落ちた義理の妹を慌てて抱きかかえた。
「待って、どうしたの!?……って、寝てるし…」
瀬奈ちゃんは、眠っていた。
先程の感じからして気絶をしたのかもしれないけれど、寝ている事には変わりない。
(あーびっくりした…)
安堵した俺は、寝息を立てている瀬奈ちゃんをベッドへ運んだ。
つい30分程前ー深夜の1時15分を回った頃ーにようやく家への帰還を果たした俺は、疲れ切っていたからさっさと寝る支度を始めていた。
既に親は寝ていたし、瀬奈ちゃんの部屋の電気はついていたものの、中で人が動いている気配もしなかったから、
(皆寝てるなー、俺も寝なきゃ)
等と、呑気に考えていた矢先。
瀬奈ちゃんのものと思われる叫び声が、俺の部屋に聞こえてきて。
これは只事じゃないと思った俺が彼女の部屋のドアの前に辿り着いた時、彼女が出てきた。
出てきたのは良いのだ。
その後の彼女の動揺ぶりと恐怖に満ちたその目の色が、逆に俺を動揺させた。