約束~悲しみの先にある景色~
少しの沈黙の後、楽人さんは言葉を選びながらゆっくりと意味深な事を頼んできた。
(信じてあげてって…。私はいつもトユンさんの事を信じてるよ)
彼の話す内容は難しく聞こえたけれど、私はこくりと頷いた。
それを見た彼は、良かった、と笑って。
「あのさ、トユンから聞いたんだけど」
“この頃全然寝てないって、本当?”
彼は、真剣な瞳をこちらに向けて問うてきた。
その顔つきからは、今までの和やかで楽しくてふわふわした雰囲気は微塵も感じられなかった。
「あ、…………」
(何で………?)
どうして、トユンさんはそれを楽人さんに伝えたのだろう。
別に、義理の妹が夜に寝ていようが寝ていまいが彼にとってはどうでもいい事ではないか。
楽人さんの方を向いて目を見開いたまま驚きで身動きが取れなくなった私に、
「じゃあ、質問を変えるね。瀬奈ちゃんは悪夢とか、そういう系の夢を見るのが怖い?」
楽人さんは、私の目を射抜いたまま質問を被せてきた。
「っ……」
一体義兄は、何処までどういう意図を持って楽人さんに話したのだろう。
楽人さんの目から目を逸らせられなくなってしまった私は、ゆっくりと頷いた。
「………なるほどね」
そう言ったきり、楽人さんは私の方を向いたまま黙り込んでしまった。
(信じてあげてって…。私はいつもトユンさんの事を信じてるよ)
彼の話す内容は難しく聞こえたけれど、私はこくりと頷いた。
それを見た彼は、良かった、と笑って。
「あのさ、トユンから聞いたんだけど」
“この頃全然寝てないって、本当?”
彼は、真剣な瞳をこちらに向けて問うてきた。
その顔つきからは、今までの和やかで楽しくてふわふわした雰囲気は微塵も感じられなかった。
「あ、…………」
(何で………?)
どうして、トユンさんはそれを楽人さんに伝えたのだろう。
別に、義理の妹が夜に寝ていようが寝ていまいが彼にとってはどうでもいい事ではないか。
楽人さんの方を向いて目を見開いたまま驚きで身動きが取れなくなった私に、
「じゃあ、質問を変えるね。瀬奈ちゃんは悪夢とか、そういう系の夢を見るのが怖い?」
楽人さんは、私の目を射抜いたまま質問を被せてきた。
「っ……」
一体義兄は、何処までどういう意図を持って楽人さんに話したのだろう。
楽人さんの目から目を逸らせられなくなってしまった私は、ゆっくりと頷いた。
「………なるほどね」
そう言ったきり、楽人さんは私の方を向いたまま黙り込んでしまった。