約束～悲しみの先にある景色～
小学3年生の頃には、頻度は1,2週間に4,5回に増え、虐待の種類も前に比べて増えた。


光の届かない真っ暗なクローゼットに何時間も閉じ込められるのは当たり前、家事を全て私1人でやらないとお父さんによって食器を割られ、その割られた食器は前と同じく次の虐待の時に投げつけられた。


お父さんのストレスが限界近くまで溜まった時には、私はテーブルの脚に縛り付けられ、そこから動けない様に拘束された後にお父さんの思う存分殴られた。


肩に突きつけられていただけだった包丁は実際に怒り狂ったお父さんの手によって動かされ、肩を軽く切られた。


泣き喚いても、必死に誰かに助けを求めても、現実は何も変わらなくて。



その頃には、私は誰かと一緒にお風呂に入る事も、誰かと一緒に遊ぶ事も出来なくなっていた。


身体中にある傷跡や痣が、ふとした瞬間に見られてしまうから。



家に帰るのがどれ程嫌でも、遅くに家に帰るといつもよりも沢山嫌な事をされると分かっていた私は、彼の魔の手から逃げる事も出来なかった。


というより、その時の私は、お父さんが私の事をゴミの様に扱うのは私がいい子ではないからだと信じ込んでいた。


『いい子にしてないと、お前は捨てられるよ？俺らはいつでも、お前を捨てられるんだ』


というお父さんの言葉を頭から鵜呑みにし、捨てられないようにと必死で父親の言う事を聞いて。
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