約束~悲しみの先にある景色~
少しでも包丁やカッター等の凶器を持ったお父さんの口から、


『おい、お前の事なんていつでも殺せるんだぞ』


という台詞が出てくると、


「ごめんなさいいい子じゃなくてごめんなさい!だからどうか許してくださいっ、ご飯もいりません、お風呂に入らなくても学校に行かなくても大丈夫ですっ…!だからどうか殺さないでくださいお願いしますお願いします」


と、泣きながら手を合わせて、時には土下座までして頼み込んだ。


こんなゴミみたいな存在の私がこの世に生きていて、何か良い事がある訳でもないのに。


『お前の未来を思って、俺はこういう行動をしているんだ!少しは反省しろ!お前のせいだ!』


と言われた時には、


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい……頑張って反省して直します!本当にごめんなさいごめんなさいっ!」


と、自分が何故お父さんに言われた事を直せないのか、自己嫌悪に陥り。


『おい、お前の両親が何で必死に仕事をしてるか分かってんのかよお前は!』


と怒鳴られた時には、


「ごめんなさい、私が居るから皆大変な思いをしてます……ごめんなさい、生きててごめんなさい、本当にごめんなさい!」


と、この世界に生を受けた自分を叱りながら謝り。
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