約束~悲しみの先にある景色~
「テストでいい点を取ります」

「もっと早く家に帰ってきます」

「お母さんに何も言いません、誰にも何も言いません」

「私の為にしつけてくれているお父さんには、感謝をしています」


お父さんに手を上げられ、包丁で脅される度に、泣きながら土下座をして謝った。


そして、4年生になってからは、お父さんが虐待をする理由も、今までよりもっと些細なものから始まっていった。


「家に帰ってくる時間が、いつもより少し遅いから」

「好き嫌いがあるから」

「テストでいい点を取らないから」

「泣き声がうるさいから」

「トイレに行く回数が多いから」

「お風呂に入っている時間が長いから」

「身体中に貼っている絆創膏が目立つから」

「私の存在自体がいらないから」

「お父さんの視界に入ったから」

「お父さんと口をきいたから」

「私の目つきがむかつくから」

「私を見ているといらいらしてくるから」

「私が生活の邪魔だから」

「しつけやお仕置きをしているのに、私の態度が良くないから」


そんな理由で叩かれ、殴られ、蹴られ、閉じ込められ、包丁等の刃物で身体(主に肩)を切られ、物を投げつけられ、火傷を負わされ、縄や手で首を絞められ、お風呂に沈められた。
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