迷子のシンデレラ

 連れられてこられたのは彼の車の中。

 有無を言わさず乗せられてドアを閉められた。
 車を発進させないまま、彼はため息を吐いた。

「乱暴なことをしてすまなかった。
 けれど、どうして僕の前から消えたんだ。
 君はシャーロットとは違うって……」

「違いますよ。
 私はあなたの想い人とは違います。
 だから私に構わないでください」

 しばしの沈黙が流れた後、彼がフッと笑みをこぼした。

「何が……おかしいんです?」

「いや。
 僕は彼女の名前がシャーロットだとは智美ちゃんに告げていないはずだよ」

 ハッとして口を覆っても遅かった。

「試すような真似をしたけれど、それももういいんだ。
 全て調べたからね。
 最初からこうすれば良かったのかなって悔やんだこともあった」

 哀しみを映す彼の瞳に見つめられて目をそらす。

 彼に見つかってしまった。
 どこまで……彼は知ってしまったのか。

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