迷子のシンデレラ

「じゃ、どうやってこれをもらったの?」

 彼は首元からチェーンを取り出して、首から外すと智美にかけた。
 母の形見になってしまった指輪。

「確か、お母さんから「大切な人が出来たら渡すように」と言われたんだよね?」

 そんなことまで覚えているなんて……。

 一年近く彼の前から姿を消していたのに彼がこの指輪を捨てなかったことに感謝しつつ、久しぶりに指輪を握りしめて涙を流した。

「父が無理心中を図る少し前に母がくれたんです。
 母も死ぬのが分かっていたんだと思います。
 それなのに……私は生き残ってしまった。
 私だけ……私、だけ」

 返された指輪を握りしめ、嗚咽を漏らしてそう呟くと葉山は智美の背中を撫でた。
 大きな手は優しくて彼にしがみついて泣いた。

「お母さんはきっと智美ちゃんに生きて欲しかったと思うよ」

「え?」

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