迷子のシンデレラ
顔を上げると涙でぐちゃぐちゃになった顔を葉山は優しく手の甲で拭いながら話す。
「お父さんの無慈悲な計画は止められなかったけれど、智美ちゃんには生きて欲しかった。
その証拠に「大切な人が出来たら」って未来に繋がる思いを託した。
お母さんの願いが奇跡的に智美ちゃんを生かしたのかもしれないよ」
母の、思いが……。
思ってもみなかった考え方に涙が後から後から流れて余計に顔をぐちゃぐちゃにする。
「僕の、話もしていい?」
葉山は優しく智美の背中を撫でながら話し始めた。
それは想像し得なかった内容。
「シャーロットには少し話したかな。
僕もそれほど恵まれてはいなかったんだよ。
僕の瞳の色が違うのは知っている?」
質問されて小さく頷いた。
彼の綺麗な瞳は哀しく揺れたように感じた。