迷子のシンデレラ
不安な気持ちで彼を見つめる智美へ彼は顔を近づけた。
そして、そっとキスを落とす。
思いもよらない彼の行動に微動だに出来ない。
「え、あの……」
顔を包み込むように頬へ手を添えておでこを擦り付ける葉山にされるがまま、ただ胸の鼓動だけが速まるのを感じる。
緊張とはまた違う胸の鼓動の速まりに自分自身も戸惑う。
「どうして僕から逃げたのか。
責めたい気持ちでいっぱいだけど、同時に愛おしい気持ちでもいっぱいで。
もう僕から逃げないって約束して欲しい」
「何を……言って……」
彼の気持ちがつかめなくて目を瞬かせる。
「言っておくけど、朝岡さんと僕は意見が合うんだ。
朝岡さんは智美ちゃんの味方でもあるけど、僕と意見が合うことも忘れないで欲しいな」
「え……じゃぁ」
「あぁ。朝岡さんに全て聞いたよ。
だから、家族なろうよ。僕たち。
きっと何もかも上手くいくから」