迷子のシンデレラ

「暴走しそうな思いに蓋をして過ごしていたのに、それを全て無下にするように僕の前から消えたんだよ。
 少しくらい意地悪なこと言ったって罰は当たらないだろう?」

 葉山は恥じらうこともなく当時の思いを吐露した。
 からかい半分に言われたことが逆に彼の本音だと示されている気がして戸惑う。

 智美も当時の彼に感じていた気持ちをこぼした。

「私は自分が……。
 ただの榎下智美では魅力がないから葉山さんに相手にされないんだって……」

 急に言葉を失った葉山のことが心配になって見上げると複雑な表情を浮かべていた。

「じゃ、僕らはすれ違っていたんだね。
 もっと気持ちをぶつければ良かったよ」

 ため息を吐いてから葉山は急に真剣な顔をして告げた。

「智美ちゃん。僕は智美ちゃんの控えめなところも芯の強いところにも惹かれてる」

 シャーロットではない、榎下智美として。
 そう言われている気がして胸が熱くなる。

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