迷子のシンデレラ
彼の胸元へ顔をうずめると彼は智美に回していた腕に力を入れた。
「ま、芯が強くて赤ちゃんを一人で育てようと思い立っちゃったところは正直困ったけど、ね」
「ごめんなさい」
謝るのが正しいのか分からないけれど、素直に謝ると葉山は笑った。
「いや。僕も悪かったよ。
全ては僕がちゃんとしなかったせいだ。
自分がこんなに臆病者だって知らなかった。
それに、自分を高く見積もり過ぎていた」
「何が……ですか?」
また何を話し始めたのだろうかと、彼の顔を仰ぎ見る。
葉山は智美の顔にかかる髪を後ろへ流してやりながら話し始めた。
顔に触れる手が優しくてくすぐったい。
「うん。正直に言うとね。
初めて智美ちゃんと……というかシャーロットと過ごした夜。
あのままで終わらせたくなかった。
だったら言葉にして表せば良かった。
ごめん」
「あの、何を仰られてるのか……」
「僕はあの日、賭けに出た。
一晩だけの相手が身籠ったら僕の勝ちだ」
「え……。それは……」
智美は耳を疑った。