迷子のシンデレラ
携帯がメールの受信を告げ、我に返ると恵麻から返信が来ていた。
『そんなこといいのよ!
昨日はどこかの殿方と夜の街に消えたらしいじゃないの』
さすが恵麻。
じいやさんか誰かが見ていて邪魔をしない程度に恵麻へ報告されていたのだ。
そもそも先に男性から誘われて踊りに行ったのは恵麻だ。
だからと言って、恵麻は智美のような軽はずみな行動はしないだろう。
何を返せばいいのか、思い悩んでいると連続でメールが入る。
『ドレスを返すのはいつでもいいんだけど、智美から直接昨日のことを聞きたいからお茶でもしましょう。
昨日、ドレスを選んだビルへ14時頃に来てね。
待ってるわ』
一方的に予定を決めてくれる恵麻に優柔不断なところもある智美は度々助けられていた。
今日もまた、予定が決められて助かった。
14時に向けて、自分がしなければならない予定を確認して準備に取り掛かった。