迷子のシンデレラ
朝岡は葉山への忠告の手を緩めなかった。
「何もしなくても可愛いって私は知ってたんですけどね。
可愛らしい格好をするようになって、みんなもいいって気づいたのね。
智美、モテ始めたんだから。
葉山さんもうかうかしないことね」
これには面食らって本音がこぼれた。
「朝岡さんは僕を応援してくれているのかな」
「勘違いしないで」
鋭い視線を向けられて両手を上げて降参のポーズを取った。
「私は智美が幸せならそれでいいの」
彼女も自分と同じように智美に魅力されているのが分かった。
葉山は朝岡に親近感のようなものを感じた。