迷子のシンデレラ

「毎回だと恵麻から「気を遣わないで」って言われてしまうので、何度かに一度。
 ハンカチなら私も背伸びせずにプレゼント出来ますし、恵麻も喜んで受け取ってくれるんです。
 華やかで可愛らしい恵麻に似合うハンカチを選ぶのもとても楽しくて」

 本当に楽しそうに話す智美にこちらの心も軽やかになる。

「じゃ、僕にもそうしてよ。
 僕だって智美ちゃんに食事代を払わせたいだなんて思っていないんだから。
 今度会う時には智美ちゃんが選んだハンカチをプレゼントしてもらえるかな」

「葉山さんに贈るだなんて……」

「僕を想って選んでよ。
 それだけでとても嬉しいから」

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