愛しい君を殺したのは誰?
『いやー!』

奏は先生の変わり果てた姿を凝視し、叫んだ。

そして、次の瞬間、気を失ってしまった。

僕は、奏を抱えて、ベッドに寝かせ、すぐに警察に電話をかけた。

警察の到着まで、僕は奏の傍に座って待った。

いろいろ頭が混乱している。

きっと警察はすぐに来たんだろうけど、それまでの時間が、いやに長く感じられた。

そのうち、奏も目を覚まし、僕らは細かく事情を聞かれた。

殺人事件なんだから仕方ない。

死因はたぶん絞殺。

首に締め跡があったのを、僕はしっかり見た。

近くに、首を吊るものが無かったことを考えれば、先生は自殺したんじゃない。

誰かに殺されて、あそこに詰め込まれたんだ。

現場検証が一通り終わるまで、僕は、奏の傍から離れなかった。

きっと今、奏の心は、恐怖と悲しみに支配されているだろうから…

傍にいてあげたいと、ただそう思った。





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