キミガ ウソヲ ツイタ
翌日から約束の土曜日が来るのを心待ちにして、少しでも葉月にいいところを見せようとひたすら仕事に励んだ。

契約が取れると、社に戻ってまずは課長に報告した後、契約書を葉月に渡して事務処理をお願いする。

業務連絡だろうがなんだろうが葉月と話せることが嬉しくて、また頑張ろうと張り切って仕事をした。

その甲斐あって俺の営業成績はどんどん上がり、その分葉月も仕事が増えた。

事務員一人につき5人ほどの営業職員を担当しているので、葉月が俺以外の営業職の男性社員と話しているところを見ると、その男性社員が葉月のことを狙ってはいないかとか、葉月が相手に好意を寄せてはいないかと不安になったりもした。

できるなら葉月を俺の専属事務員にしたいとさえ思うほど、俺はどうにも嫉妬深いらしい。

葉月と出会うまでの俺は誰と付き合ってもそんな風に思ったことはなかったのに、葉月の何が俺をそうさせるのかはわからなかったが、それまで付き合って来た女の子には感じたことのない魅力があることだけは確かだった。

< 24 / 61 >

この作品をシェア

pagetop