模擬彼氏
でもそんな佐久本さんのお陰で、私と圭一さんは、両親公認の仲だ。

「執事の仕事は、退職したんだったな。」

「旦那様、その事ですが……」

圭一さんは、無職になるのが嫌みたいで、今頃になって自分のした事に、焦ってるみたい。

「いや、寺原にはこれからは、紗雪の結婚相手として、私の仕事を手伝ってもらう。」

「えっ!?」

本気で嫌がっているように見えるのは、私の気のせい?

「ビシビシ行くぞ!跡継ぎ!」

「跡継ぎって、旦那様……」

顔が引きつっている圭一さんを見るのも、なんだか楽しい。


「ふふふ。これでとりあえず、昇格ね。」

私は圭一さんの腕に、しがみついた。

「そうなるのかね。執事から、跡継ぎって。」

「ん?そうじゃなくて、模擬彼氏から、本当の彼氏によ。」

「えっ?そっち?」

私達は見つめ合おうと笑い合って、本当の恋人としての、キスを交わした。


- End -
< 68 / 68 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:11

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

表紙を見る 表紙を閉じる
交通事故で記憶を失った秘書・広中千紗は、社長・光林新太のもとで仕事に復帰する。なぜか彼に触れられると心が安らぐが、過去の関係は思い出せない。そんな中、「恋人だ」と名乗る風野祐樹が現れ、千紗は戸惑いながらも彼との時間を受け入れていく。けれど心が求めるのは、いつも新太だった。偽りの恋と本物の想いの間で揺れる千紗。やがて明かされる過去と、抑えきれない愛――記憶をなくしても、消えない想いがある。
表紙を見る 表紙を閉じる
地味なカフェ店員・小鳥遊咲は、閉店間際に毎日訪れる常連客・御門悠生に密かに惹かれていた。 ある夜、店内でのトラブルをきっかけに二人きりとなり、そのまま一夜を共にする。 翌日、悠生は真剣に想いを告げ、距離は一気に近づいていく。 しかし咲には、過去に御曹司との恋で「身分違い」を理由に引き裂かれた苦い記憶があった。 再び傷つくことを恐れ、彼の想いを一度は拒む咲。 そんな中、元恋人が現れ咲を追い詰めるが、悠生は静かに彼女を守り抜く。 やがて咲は、自分をまっすぐ選び続ける悠生の愛を受け入れ、再び向き合う決意をする。 カフェという日常の中で育まれた恋は、やがて確かな未来へと繋がり、悠生のプロポーズによって二人の愛は揺るぎないものとなる。

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop