もののけ会社と甘いキス。
最強クラスの幹部……。
「アイツらは、月ノ宮一族を目の敵にしている。
本気で殺す気だったぞ。
あれが、あそこの当主の本性なんだ!?」
「違う。社長は、そんな人ではないわ!!」
司の言葉にムキになった。
カラス天狗だって
違うと言っていたわ。
それに……。
本気で殺そうと思う人が
あんな悲しそうな表情はしない。
「お前なぁ……どれだけ
あそこの当主に惚れているんだよ!?
あんなのお前に近付くための
芝居に決まっているだろ」
呆れて言う司の言葉に
私は、ギュッと胸が締め付けられそうだった。
「とにかく、まず響の実家に行こう。
美音を回復させるのが先だ!」
涼お兄ちゃんがそう言ってきた。