もののけ会社と甘いキス。
ハッ!!
「涼お兄ちゃん。美音は、何処に!?」
頭がぐちゃぐちゃで、美音がどの状態なのか
まだ確かめていない。
「ここだ!」
そう言うと近くにあった籠を取り出して
見せてくれた。
そこには、羽根が欠けて傷だらけの
蝶々がぐったりと横になっていた。
「み、美音!?」
間違いない。
美音が蝶になった姿だった。
私を守るために
こんなに傷だらけになるなんて……。
涙が溢れて止まらなかった。
「美音……ごめん。ごめんなさい」
「美音の傷は、主である響子叔母様の手を借りれば
すぐに治るから心配はいらない。
しかし、酷いものだな。
こんなに痛めつけるなんて……」
涼お兄ちゃんの言葉にズキッと胸が痛んだ。