もののけ会社と甘いキス。
社長ではないと今でも思うけど
美音を傷つけたのは本当だ。
妖怪のせいで……。
涼お兄ちゃんは、そのまま
私の実家に連れて行ってくれた。
外では、連絡を聞いたお母さんが待っていた。
「響。大丈夫なの!?」
慌てて私に駆け寄り抱き締めてくれた。
「私は、大丈夫。でも美音が……」
私は、泣きながら
お母さんに傷だらけの美音を見せた。
「まぁ、可哀想に……。
でも、大丈夫よ!私に任せなさい」
そう言うと美音を受け取った。
家の中に入るとお母さんは、
居間の中心にある、何やら術式みたいなシートを
敷いて美音をそこに置いた。
周りには、ロウソクが……。