もののけ会社と甘いキス。
やはり人間と妖怪が仲良くするのは、
無理なのだろうか。
特に私は、月ノ宮一族の人間。
妖怪専用の陰陽師の家系。
妖怪の当主である社長と関わるのは……本当に
ダメなの?
分からない。
私には、どうしたらいいか分からない。
涙が溢れながら
私は、マンションの中に入って行く。
沈んだ気持ちのまま部屋に入ると
部屋の窓に社長の姿があった。
しかも妖怪の姿で……。
「まったく。帰りが遅い。
何処で寄り道をしていたんだ?」
窓から見える月が社長を美しく輝かせていた。
「しゃ……社長!?
どうして、ここに?」