もののけ会社と甘いキス。
「社長が、そんなことを言ったのですか?」
むしろ私の力や月ノ宮一族のことに対して
一番興味を持っているのは、社長自身だ。
私のことを好きでもないのに……どうして?
しかし、もっと話を聞きたいが
もうそろそろ勤務時間になってしまう。
「あの……後でそのことで
相談に乗って頂きたいのですがいいですか?」
「えぇ、いいわよ。
じゃあ、お昼休みに待ち合わせをしましょう」
私は、山里さん……ではなかった。
雪江さんとランチをする約束した。
オフィスに戻ると美音が
「ごめん。ちょっと調子に乗り過ぎた。
つい気になって」
申し訳なさそうに謝ってきた。
「あぁ、いいわよ」
私は、快く許した。
自分も幼馴染みの美音に隠し事をしているのだ。
責められる訳がない。