もののけ会社と甘いキス。

これは、さすがに言えないし。

そして私は、お昼休みになると
雪江さんと会社の外に行く。

喫茶店でランチを
食べながら相談に乗ってもらった。

「なるほど。それで……」

「私は、社長に本気の恋をしてほしかったのに
こんなことになってしまって……」

自分で言っておきながら
落ち込んでしまった。

雪江さんは、すぐに納得をしたのか

「フフッ……仕方がないわよ。
社長……お母様を大切にしていたから。
まだ幼かったし亡くなった時は、それはもう
相当落ち込んでいたわ。
きっと、無意識にあなたを母親と重ねているのね」

そう言ってきた。

「そうなのですか?」

私とお母様を重ねている……?

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