かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
玄関に入った途端、彼はダン、と壁に手をついて、私に背中を向けたままうなだれた。

「……なにをやっているんだろうな、俺は……」

「颯志くん……」

颯志くんは靴を脱ぐと、つかつかと廊下を進み、リビングのソファに乱暴に腰かけた。

まるで私から視線を逸らすようにうつむき、額に手を当てる。

「無理やり瑠莉を連れ去って……まるで子どもだな」

恐る恐る颯志くんのそばに行くと、彼は私の手を軽く引っ張ってソファに座らせ、じっと私の目を見つめた。

「俺との婚約を、後悔してはいないか」

「……はい」

きっぱりとそう答えると、颯志くんは気が済んだのだろうか、私に背中を向けて座った。

いや、その逆? 気が済んでいないから、私に背中を向けているの?
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