かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「それは……随分強引なやり方ですね」

女癖が悪い――周囲からそう口々に言われていた理由が、なんとなくわかった気がした。

「確かに、俺はお前を軽く見ていたのかもしれないな。寝れば手に入ると思っていた」

私の方に向き直って、そっと私の肩を抱く。こつん、と頭が彼の胸に当たって、その感触にドキドキとした。

小さい頃は、ハグくらいたくさんしてもらっていたはずなのに、今では全然違った感覚がする。

「その日以降、頑なに瑠莉を抱こうとしなかったのは、簡単に手を出そうとしてしまった自分に、罪の意識を感じていたからかもしれない」

颯志くんを見上げようとしたら、ずるっと背中を滑らせて、彼の膝の上に倒れ込んでしまった。

颯志くんは私が頭を打たないように、後頭部に手を入れて受け止めてくれる。

「二十年分の絆を、抱けば壊してしまうような気もした。手を出さないことこそ、お前が俺の特別であることの証明になる気がしていた」
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