かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
もちろん、成長とともに口に出すことはなくなっていったけれど、彼に対する恋心が色褪せることはなく、流れた年月の分だけしっかりと育まれていった。

高校生になる頃。心も体もそれなりに大人に近づいて、彼の特別になりたいと思い始めたのはごく自然な流れだろう。

昔はいつでも彼に触れることが出来た。うしろからぎゅっと抱きしめれば、彼は笑って『瑠莉は甘えん坊だなぁ』と抱きしめ返してくれた。

けれど、今ではそうはいかない。こんなに胸が膨らんで、手足が長くなってしまった今では、甘えん坊では済まされない。

どうしても彼に触れたくて……触れてほしくて。私は意を決して彼に告白した。

――『私と、付き合ってください』――

回想からハッと我に返ると、目の前の颯志くんは不思議そうに「どうかしたか?」と首を傾げていた。

「……いえ。昔を思い出していました」

ジンと胸が痛む。彼との思い出は、甘くて、優しくて、ちょっぴりほろ苦い。
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