かりそめ婚!?~俺様御曹司の溺愛が止まりません
「その上、お前、石鹸で滑ってコケて。悲鳴を聞いて助けに行ったら『私の裸を見たんだから責任取ってお嫁さんにして』って言い出して」

「……ごめんなさい~……」

両手で顔を覆う。そんな恥ずかしい記憶、時間の経過とともに闇に葬ってほしかったのに。どうして颯志くんはそんなに鮮明に覚えているのだろう。

「その後、俺は一日中、瑠莉をお姫さま抱っこさせられたんだ。翌日は筋肉痛が酷かった」

「……本当に申し訳ありませんでした……」

私、小さい頃、そんな生意気を言ってたんだ……。颯志くん、私のお守り、大変だったろうなぁ。

そりゃあ、そんな思い出抱えてたら、私のことを恋愛対象として見られるわけないよ。

「……まぁ、話は脱線したけど。夕食はまだいらないってことだな。なら、少し早いが飲むか」

海沿いにそびえ立つ大きなホテルの前で颯志くんはハンドルを切った。

地下の駐車場の、普通は止められないような施錠つきの特別室に車を停車させる。
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