Shooting☆Star
--ムーンストーンは旅人を導く。それと、愛の石。穏やかに続く永遠の幸福。モモちゃんにぴったりだろ。--
拓巳はそう言っていた。
--誕生石を手の平側の内側に入れたリングは“星を掴む”。夢や希望が叶うように。約束を見失わないように。それをペアにして、それぞれに相手の誕生石を入れると“互いを想い、守り合うもの”になるんだ。--
「いいよ。あとで拓巳に訊いてみるから。」
「そうして。」
拗ねて膨らむ百香を横目で見て、祐樹は笑う。
ごまかしても結局すぐにバレるやつだな、これは。
でも、ちょっとキザすぎるだろ。偶々とはいえ、太陽と月だし。
愛の石とか永遠の幸福とか……。

信号待ちで止まり、首を回すと視界の隅にコンビニの看板が見える。
そういえば家に歯ブラシのストックなんてないな。百香の鞄に入っているとは思えないし。
「モモ、コンビニ寄る?歯ブラシとか。」
「よる!歯ブラシは持ってるけど、下着の替えはない!パンツかう!」
ハイ!と、子供みたいに手を挙げて、元気よく答える百香に思わず吹きだす。
「モモ、お前さぁ……それ、黙って買えばいいんじゃね?」
「だって、レジで気まずいの嫌だもん。」
笑いながら百香は続ける。
「S☆Sの祐樹くん、コンビニで婦人用のパンティ買ってた♡………これはちょっと、どうかと思うよ。」
二人でひとしきり笑って、車をコンビニの駐車場に入れる。
いつもよりもテンションの高い百香に、笑いながら祐樹は、なんだ、モモも緊張してるんだな、と思う。
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