恋は、秘密主義につき。
答えあぐねてしまったのを追及することもなく、彼(彼女)はサラッと違う話題に切り替えて、それ以上口にすることはありませんでした。

脚も休まったところで、今度は一実ちゃんの買い物にお付き合い。
コスメを中心にレディースショップを廻り。色や形をあれこれ悩みつつなのが女の子同士の醍醐味。

手荷物が少しずつ増えていく、一実ちゃんの満足そうな笑顔に私も釣られて、夏物のトップスを衝動買い。
裾に花柄が広がった、可愛めのTシャツは色違いで一実ちゃんとお揃いです。

「今度、一緒に着てデートだからねー」

腕を組んで歩くご満悦な彼(彼女)に、笑い返しながら。



胸には、小さな棘が鋭く刺さったままなのを感じて。




< 121 / 367 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop