恋は、秘密主義につき。
4-4
「美玲、どっか寄ってゴハン食べてく?」

「いいですよ。一実ちゃん、なにが食べたいですか?」

ショッピングビルから外に出ると。辺りは、夜の始りを告げるように眩い電飾に包まれている。
とは言っても、行き交う人の多さは相変わらず賑やかなものだった。
通行人の邪魔にならないよう建物の際に寄って、スマートフォンで飲食店を検索しだす。

「ねぇねぇ、このカレーのお店ちょっと気になるー」

「あっ、でもこっちの釜めしも美味しそうですよ~」

画面を覗きあいながら、二人で楽しく悩んでいたら。

「お姉さんたち、これからどっか行くの? せっかくだし、俺たちとご一緒しません?」

見るからに大学生っぽい三人組の男の子から、見るからに軽そうなナンパをされたのでした。
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