恋は、秘密主義につき。
2-2
このあいだのデート以来、征士君は夜に電話をくれたり、仕事の合間にラインをくれたり。
私からもした方がいいのかと思うけれど、用もないのに電話はできないし、征士君がくれるみたいに『今日は何してた?』なんて気安いラインも、やっぱり気が退けてしまいます。

彼の仕事は、楠田レーベンリゾートが手掛けたリゾートホテルでのイベントやキャンペーンの広告に関わることだそうで、ゴールデンウィーク前の今は休日も返上で、毎日帰りも遅いようです。

『レイちゃんの声聴いたから、もうちょっと頑張れそうだな』

・・・なんて言われてしまうと、電話では様子も見えないから体が心配になったりもします。

「ちゃんと食べて、無理はしないでくださいね」

気遣うくらいしかできないのに、征士君はとても嬉しそうに笑います。

『ん、ありがとう。連休はちゃんと休めるから、行きたいところがあったら考えといて。無くても、連れてくけど?』


さらりと、2度目のデートに誘われました。
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