Magic ring
彼は掴んでいた私の手を離し、そう言った。
ん?ちょっと悪口入ってない?
お互いが静まり、、少しの間が経った後、彼は顔を上げてこちらを向いた。初めてちゃんと目が合い、初めて近くで彼の顔を目の当たりにした。
この世の物ではないように美しく、魅了されるような顔立ちだった。男性にしては少し長めの金髪から覗く瞳には吸い込まれそうだった。
そしてさっきまで聞いていた声も同等に、美しいと感じた。…喋った言葉以外は。
「…分かった、状況はよく分からないが、とりあえず今はミッションを受けるしかない。
…リングは無いけど…お前がここにいるって事は何かしら意味があるんだろ。今は俺について来い。」
そういうと彼はスッと立ちあがり、同時に私の手を
引いて、すぐに部屋の扉を飛び出して走り出した。