Magic ring
「…人はいないな。ただ門の前に見張りがいる。それに見つからないように…」
なにやらブツブツと呟いて、考えるポーズをし始めた彼を見据えてから、少しましになった体を立ち上がらせて、彼の隣に行きフェンスに手をかけた。
すると、さっきの部屋とはまた違う景色が目に映り、感嘆の声が出てしまう。
「わぁ………!!やっぱり、すごい綺麗。森があったんだね。」
今見えている左側がどうやら城の正面のようでさっき見た川が見え、今見ている右側、つまり城の後ろ側に森があった。
となるとさっきの部屋からの景色は、城の真正面からの景色だったのだと理解する。
「ねぇ、ここって、グロリアス国だよね…?」