Magic ring
彼は平然とスルーして、森の中へと進んでいこうとする。
ムカつく野郎……!!!
それでも私はさっきから言おうと思ってた事を、口にする。
「今更だけど、あんた、名前は?私はアリナ!」
後ろからそう叫ぶと、彼は少し立ち止まって、でも振り返らずにこう答えた。
「ヤト」
「ヤト!なんか、弱…そうな名前…なんて思ってないよ!?とりあえず、よろしくね!」
「..雲から突き落とすぞ」
そう言って振り向いてきた表情は整った顔だから余計に、子供ならすぐ泣き出しそうなくらい怖かった。
ヤトなら本気でやらざるを得ない…。
「怖いなぁ、やめてよね〜〜」
「…いま絶対失礼な事思ってただろ」
「思ってないって〜!!」
立ち止まるヤトの方へ駆け寄って、
そう話しながら、私たちは森の中へ歩いて行くことにした。
ヤト、そしてロイヤルキャスタルとの出会いは、
こうして始まった___________