legal office(法律事務所)に恋の罠
週明けの月曜日。

フレックスタイムを使っている和奏は、8時に山崎法律事務所に出勤した。

金曜日に新たに契約したHotel Bloomingとの契約書に目を通して、和奏はため息をつく。

月に10日は必ず、本社であるHotel Blooming 東京に常駐する顧問弁護士。

女性社員からの相談には、その都度面談やメールで相談に乗るプレミアムプラン。

なぜ、こんな契約をしてしまったのだろう・・・。

お酒を飲んでいない冷静な頭で話を聞けば、男性との関わりを避けられそうもないこの契約に異議を唱えることもできたに違いない。

しかし、庄太郎もこの契約にゴーサインを出し書類にサインをしていた。

弁護士として、ここらで覚悟を決めなければならないと和奏も分かっていたから、酔いに任せてこの契約に乗ったのだと心の底では理解していた。

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