legal office(法律事務所)に恋の罠
「お待ちしておりました。桜坂CEOは応接室でお待ちです」

受付の可愛い女性が笑顔で和奏を出迎えてくれた。

和奏も思わず笑顔を返す。

「夢谷和奏です。この度、こちらのホテルの顧問弁護士に就任しました。今後とも顔を合わせることがあるかと思います。よろしくお願いしますね」

知的なアイアンフェイスを纏った美人弁護士の"極上の笑顔"に、受付の女性二人は頬を赤らめた。

和奏は女性の前だけでは笑顔を隠さない。

「そんなに素敵な笑顔が見せてもらえるなんて、君達にやきもちを妬いてしまうな」

「桜坂CEO・・」

応接室で待っていると言った社長の突然の登場に、周囲にいたスタッフも驚きを隠せない。

「わざわざお出迎え頂かなくても逃げませんよ」

「私が待てなかっただけです」

アイアンフェイスに逆戻りした美人弁護士と、それを嬉しそうに見つめる美麗社長・・・

その自然なやり取りに、周囲は仕事も忘れて釘付けになる。

「ご案内します」

滑らかにエスコートする奏と、照れもせずにエスコートされる和奏。

この日を境に、こうした場面が頻繁に見られるようになっていくこのエントランスの風景は、Hotel Bloomingの名物と言われるようになる・・・。
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