2度目の忘れられない恋
「亡くなった彼氏のことも?」
「あぁ…1年前に亡くなったって」
「二人はとっても仲が良くて、幸せそうだったんです
みおの彼氏…秀さんって言うんですけど、
秀さんが入院したとき、”仕事をしているみおが見たい”って、
そのために、お見舞いにあまり来させないようにしてたんです。
秀さん、優しかったから狙っている子多かったし、その中でも少し強引なやつがいて、
みおに酷めの嫌がらせが続いたんです。
その結果、1年前もこんなふうに倒れた。
精神的にたくさんのストレスを受けると
意識を失うとともに記憶をなくすんだって言いながら、
悔しさを噛みしめるように五十嵐君は妻が食い込むほど手を握りしめた。
「そのことの記憶は覚えていないから警戒心も何もない
その女に近づけたら、またみおが倒れる。
そう思って注意してたのに…
先生に確認したら、今回も記憶が飛んでいるそうで。」
「今日の記憶がなくなったってこと?」
「…」
「五十嵐君?」
「1年」
「え?」
「…1年分の記憶が飛んだ」