君の笑顔は、俺が絶対守るから。
気づけば一ノ瀬くんを待つことなく、ひとりで電車に乗っていた。
一ノ瀬くんの家の最寄り駅で降りたところでハッとして、慌ててスマホを見る。
一ノ瀬くんからメッセージがいくつも来ていた。
【駅着いた】
【いまどこにいる?】
【学校か】
【先に帰ったのか?】
返事をしたくなかったけど、このままにしていたら永遠に一ノ瀬くんを待たせることになってしまう。
仕方なく【先に帰ります】とメッセージを打った。
京子さんからも【梓ちゃんごめんね。帰りにコンソメ買ってきてくれる?】というメッセージが来ていたので、【了解です!】と返事をしてから、スマホの電源を落とした。
一ノ瀬くんからどうして先に行ったと電話がきても困るから。
そんな電話、かかってこないかもしれないけれど。
ため息をつきながら駅を出て、スーパーに向かう。
どうして私、こんなにイライラしてるんだろう。